インタビュー記事 アロハエイド ローレンス・キヨヒロさん

8月 20, 2016 | monoにまつわるストーリー, 製造者インタビュー | コメント0件

Laurence image

今回のインタビューは、アロハ・エイドのオーナー、ローレンス・キヨヒロさんにご自身がデザイン/販売するバンドエイドについて、その商品に込められたコンセプトや願い、ビジネスを始めた経緯など、盛りだくさんのお話を聞いてきました。

プロフィール:Laurence Kiyohiro(ローレンス キヨヒロ)Aloha Aidの創設者、グラフィックデザイナー。大学でグラフィックデザインと心理学を専攻。2012年にAloha Aidをスタートさせる。

Web : http://alohaaid.com

Laurenceさんのつくるバンドエイドを見つけたのは、半年ほど前。当店で扱う商品を探していた時に偶然目にとまりました。かわいらしいアロハ柄にまず目を惹かれたのが一番最初。さらにブランドのHPを読んでみると骨太のコンセプトがそこには込められていて、このバンドエイドに込められた思いに激しく共感しました。ご存知の通り、ハワイはトロピカルデザインのかわいい商品やよくデザインされた商品がたくさんあります。そんな中でも最近は特に急激にアート分野が成長してきて、ローカルアーティストやデザイナーによる、ハワイをモチーフにした商品が数々見受けられます。ただ、このバンドエイドには見た目のかわいさだけではない、ハワイが現状抱える問題や、コミュニティに還元していこうという意思がしっかりと込められているのです。

ハワイが抱える課題

豊かな自然とゆったりしたバケーションの雰囲気で、誰しもが魅了される南国の島ハワイ。しかし、観光で賑わう賑やかな街の影に大きな課題を抱えているのも事実です。まず第一に物価が高いということ。日本と同じく島国のため、ほとんどのものはハワイの外から輸送されてきます。そのため輸送費が価格にプラスされるということ、さらには土地が狭いために倉庫やお店などの家賃が高く、その分の費用も上乗せされます。さらにはGE TAXと言われる、いわゆる消費税のようなものが4%と様々な「上乗せ」がハワイの物価を押し上げている要因です。その価格は、アメリカ本土に比べてなんと30%も高いと言われています。

このような物価の高さに相まって問題になっているのがホームレスの増加です。車、公園、路上、木の下など至る所に、ホームレスの人々がテントを張って生活しているのが見られます。家族単位で暮らすホームレスさえ少なくありません。子供が占める割合はなんと23.5%から39%。そして、正社員として働いている人も17%から42%もいるのです。働いてはいるが、リーズナブルな価格の家が少ないため、止むを得ずテント暮らしをしているという人も少なくないのです。

このような現実を目の当たりにして、心を痛めるだけか、行動するのか。Laurenceさんは行動する人でした。

商品に込めたメッセージ

♣ まず初めに、Aloha Aidを知らない方のために、どんな商品か教えていただけますか?

「help. heal. hawaii

誰もが誰かを笑顔にするチャンスがあると私たちは信じています。Aloha Aidは小さな会社ですが、地域に何かを還元することを目的としています。私たちのこのバンドエイドをローカルのボランティア団体に寄付をしています。たった一箱でも、このバンドエイドが人と人をつなげ、誰かの人生を大きく変えることができると信じています。」

これが、Aloha Aidのコンセプトです。Aloha Aidは、Hawaii H.O.M.E. Projectと、Project Hawaii, Inc.というボランティア団体とパートナーシップを組み、ホームレスの人々の手助けを行っています。 Hawaii H.O.M.E. Projectはハワイのホームレスの人々に無料の医療サービスを行っているボランティア団体です。それからProject Hawaii, Inc.は、ホームレスの子供たちの社会性を身につける手助けをしたり、学校に行けるよう支援をすることで、子供たちが成長した時に貧困のサイクルを断ち切ることができることを活動目的としている団体です。Aloha Aidはこれらの団体にバンドエイドを寄付し、そこからホームレスの人々に配布されたり、自身でもカカアコのホームレスの人々に手渡したりしています。

♣ そもそも、このようなビジネスを始めようと思ったきっかけは何だったのですか?

初めは、アロハ柄のバンドエイドっていうのは見たことないなと思ったのがきっかけです。そのことをずっと部屋の壁にメモとして残しておいて…2、3年は貼ってあったかな (笑) ある時、彼女の留学について3ヶ月日本に行く機会があって、彼女が学校に行っている間何をしようかなと考えていたところ、メモのプロジェクトやってみたら?と言われて。それでその3ヶ月の間にブランドネームからコンセプト、パッケージのデザインまで一気に考えました。ただ、ただのアロハ柄の商品ではなく、もっと意味を持つ商品にしたかった。その商品を手に取る人たちに、なんらかのメッセージを伝えたかったんです。ハワイにホームレスが多くいることは知っていたし、バンドエイドというのは傷をカバーするもの。そこから、さっき言ったふたつのボランティア団体に連絡を取りました。

Laurence & Carli

Aloha Aidスタートのきっかけを作った彼女のCarliさんと

♣ 今作っているのはバンドエイドだけということですが、他に考えている商品はありますか?

今考えているのは、生活をサポートする日用品ですね。例えば歯ブラシとか。ホームレスの人々に使ってもらえるものとして新商品は考えています。それから、様々な怪我に対応できるような、サイズの異なるバンドエイドなど。

♣ ビジネスを始めてから一番大変だったことはなんですか?

商品を売り込むときが一番大変でした。現在は、主にハワイのドラッグストアーなど約80箇所で販売していますが、最初のひとつ目の販売店を見つけるのがなかなか大変でした。サンプル商品やフライヤーをもって実際に店舗を訪れて売り込みをしたりしましたが、マネージャーや責任者に会うことができなかったり。だから途中からEmailに切り替えたんです。そしたら電話よりも直接訪問よりも効果的だったんです。1つ目の販売店が見つかった後は、断然楽になりましたね。徐々に注文数も伸びてきました。

Aloha Aid バンドエイドパッケージ画像

♣ では逆に、ビジネスをやっていて一番嬉しい時はどんな時ですか?

誰かがバンドエイドをつけてくれているのを見るのがやはり一番嬉しい瞬間です。そして自分が作ったバンドエイドが傷を癒したり、カバーしたりしている、役に立っていると感じる瞬間がやはりやっててよかったなと感じますね。

多様なバックグランドから得た広い視野

Laurenceさんインタビュー中の様子

♣ プライベートでは何をするのが好きですか?また、おすすめのレストランなどはありますか?

家でリラックスするのが好きです。音楽を聞いたりしてのんびり過ごすのがいいですね。音楽はなんでも聞きますが、特に90年代のオルタナティブミュージックなどを主によく聞きます。料理もたまにしますよ。外に食べに行くのは、日本食が好きです。よく行くのはIzakaya Trae Traeです。

♣ 日本は行ったことがありますか?

僕はもともとワシントン州生まれですが、その後10年間ほど家族と一緒に日本で暮らしました。残念ながら日本語は話せないのですが…小学校6年生の時にここハワイに引っ越して、それからはずっとハワイです。KCC(カピオラニコミュニティカレッジ)でグラフィックデザインを専攻しましたが、その後ハワイ大学に編入して心理学を専攻しました。日本語は話せないんですが、ひらがなカタカナは読めるので、たまに日本の漫画なんかは読んだりしますよ。ハワイに引っ越してからも何度か日本には旅行で行きましたが、日本の人たちの歩くペースが好きです(笑)機敏で。それから食べ物も好きだし、日本のサービスの良さも好きです。

♣ 最後になりますが、Hawaiiに来る方々に対して何かメッセージはありますか?

一番の願いは、僕が作った商品が誰かの手助けになることです。なので、皆さんが実際に使ってみた感想や、フィードバックなどがあるととっても嬉しいです!